街に出た野獣
まちにでたやじゅう

善良な市民を脅かす二人の兇悪脱獄囚と青年刑事の死闘を描く新鋭アクションドラマ。森川哲郎作「東京拳銃街」より。

肌を突きさすような冷たい北風が吹きぬけていく、大都会東京の冬の夜。アナウンサーが緊張した声で「小菅刑務所から凶悪殺人犯・宮地和雄と坂下周吉が、看守を殺害したうえ拳銃を奪って逃走した」という臨時ニュースを報じた。脱獄した二人は東京近郊の雑貨屋を襲って夫婦を殺害、さらに通りかかった魚屋の買出し用軽トラックを襲うと運転手を殺し、車を奪って逃走した。翌朝、宮地らは魚河岸の雑踏の中にたくみに紛れ込み、まもなく軽トラから運転手の死体が発見され、大騒ぎとなった。警視庁の青年刑事・中尾慎一は、恋人の雪子とスキーに出かける準備をしていたが、魚河岸の殺しが脱獄囚の仕業らしいと情報が入るや捜査本部へ急いだ。宮地、坂下の前歴を洗った中尾は、宮地の情婦・奈美の存在を知り、同僚の松田刑事と聞込み捜査を開始した。バーやキャバレーなど東京の盛り場をしらみ潰しに洗った中尾は、手がかりをつかめぬまま新宿にあるクラブ・クローネの支配人に心当りを調べさせている間に、スキーに行けなかった雪子に電話をかけたが、意外にも元気な声にかえって励まされた。そのとき支配人が、奈美は“みどり”という名で働いていると告げに来た。みどりを呼び出すよう頼んだが、中尾が電話をかりている僅かの間に、奈美は何者かに呼び出され姿を消していた。ちょっとの差で奈美を取り逃した中尾を嘲笑するかのように、翌朝彼女は死体となって発見された…。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/1/27
モノクロ/4巻/1331m/49分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】中央区(銀座)/渋谷区(恵比寿)/港区(東京港)/調布市(佐須団地予定地前道路)