傷だらけの掟
きずだらけのおきて
仁義と掟を打ち破る学生ヤクザの弟と、古いヤクザの仁義に板ばさみになりながら身をもって弟の幸福を祈る兄との兄弟愛を描いたアクション大作。
ネオンが妖しく点滅する東京の盛り場。保夫は、バー“キャンドル”で飲んだハイボールの法外な値段に仰天し逃げ出そうとしたが、花山組の幹部連に取り囲まれた。バーの経営者は、組長の花山だ。保夫は形見と称する七万円の時計をかたに二千円借りて出て行ったが、花山たちは保夫が野田組の身内とは気がつかなかった。インチキ時計を売るケイちゃん売りの保夫はホクソ笑むと、また別の街角でケイちゃん売りを始めた。ところが追いかけてきた花山組の子分につかまり、事務所に連れて行かれた。保夫の兄で野田組の幹部である五郎は、その事件を目撃した花屋のマダム吟子から連絡をうけると、花山の事務所から保夫の身柄を引き取った。保夫がケイちゃん売りをしているとは知らなかった五郎は、二人になると語気荒く怒鳴った。ところが保夫は「古いこと言っていると、花山組に押されるぜ」と、ケロッと言い返す始末。実際、花山組は急激に勢力を拡大していた。ついに野田組長も「景品買い、ダフ屋、何でもやるんだ」と新方針を打ち出した。内心不服だった五郎も、育てられた野田組長の発案だけに協力を誓った。やがて麻薬の委任話が持ち上がるが、それは花山組にも持ち掛けられていた。何としても自分が取引すると決意を固める野田の前に「五郎の弟の身柄と引き換えに麻薬から手を引け」と、花山がやって来た。保夫が“”キャンドル”の女給をかどわかしたからだと言う。しばし無言でいた野田は、花山の申し込みを受けた。五郎に「保夫は俺の息子同然だ」という野田だが…。
日本 製作:日活
日活
1959
1960/1/9
モノクロ/79分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2158m
日活
【東京都】豊島区(池袋)
【神奈川県】横浜市(横浜港)