トップ屋取材帖 影のない妖婦
とっぷやしゅざいちょうかげのないようふ
トップ屋取材帖シリーズ第四弾。お馴染みトップ屋黒木三郎が、国際肉体密輸団退治に活躍する活劇とお色気の娯楽篇。

トップ屋・黒木三郎のもとへ、ある夜またまた奇怪な電話がかかってきた。「え?万里の虎!」と思わず叫ぶ黒木は、大きなネタにぶつかったときにみせる鋭い表情に変わっていた。ライター・カメラを懐に事務所を飛び出した黒木は、有楽町裏にあるバー「城」で、電話の主・東都日報社会部記者の西村とマダムの千代と向かいあった。西村は、万里の虎こと遠野大三が中国で殺されたこと、千代が遠野の妹であることを話した。そのとき黒木の前に、戦争中、上海にあった日本特務機関で給仕女をしていた白系露人ターニャが成人した姿で現れた。驚く黒木に、千代はターニャが持ってきたという、中共軍に銃殺された遠野の血まみれの姿の写真を見せた。黒木を呼んだのは、幼いころに別れて兄の顔を知らない千代が、写真の真偽を黒木に確かめてもらうためだという。遠野は黒木の戦友だったが、軍隊を脱走し馬賊の頭目となって暴れ廻った豪快な男で、黒木のいた特務機関の情報提供者でもあった。黒木は写真の主が遠野であることを認めた。“万里の虎の最期”というネタを提供者の西村から買った黒木は、何故か意味あり気な微笑を洩らすのだった。遠野の死、千代という美しい女、ターニャの突然の出現。裏に何かが隠されているに違いない。黒木三郎の鋭い触角は、見えざる敵を嗅ぎつけたのだ…。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/2/24
モノクロ/5巻/1456m/53分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】新宿区(歌舞伎町・新宿コマ劇場前、同・コマ劇場を眼下に望むビルの屋上)/東京港