恋の切なさ、恋の苦しさ、もう恋なんかしたくないのさ…岡田真澄、和田浩治、水原弘の魅惑アクション大作!
銀座のナイトクラブ「ノアール」に一人の男が帰って来た。かつてジャズ界に旋風を巻き起こしたものの麻薬中毒のため1年前に忽然と姿を消したサックスプレイヤーの“山七”こと山手七郎だ。同じ頃「ノアール」の店内では七郎としのぎを削った看板歌手・水原弘がカウンターで泥酔して自身のヒット曲「黒い落葉」をろれつの回らない口でつぶやいていた。空になったグラスを差し出そうとする水原だが、そこへ「ノアール」を牛耳る大沼興業の幹部の石岡と中西が割って入った。水原は「飲まない代わりに歌わせてくれ、頼む」と二人に懇願するが、むなしく楽屋口から叩き出されてしまう。そこへ来合わせた山手が水原との再会を喜ぶのもつかの間、落ちぶれた姿を見て事情を聴くと「山七、半年の間にいろんなことがすっかり変わっちまったぜ」と、それ以上言わず何処へと去っていってしまった…。