無言の乱斗
むごんのらんとう
少年鑑別所の檻の中で苦悶する非行少年達の赤裸々な生態と、善導に不屈の努力を続ける教官の姿を描き世に訴える、練檻ブルースの映画化。
無軌道な青少年の犯罪におびえる現代。このような怖るべきハイティーンを乗せた青バスが、今日も家庭裁判所から少年鑑別所へ走って行く。彼らは必要以上に反抗の色を顔に現わしていた。彼らが持つ、暗い過去がそうさせるのかも知れない。木下昌夫も、人一倍ふてくされた態度で指導教官を困らせていた。しかし教官の向井は「この少年は立ち直れる」と直感し面倒を見るのだが、昌夫の態度は日増しに荒れていき、鑑別所の少年らと喧嘩をするのは日常茶飯時。向井のすることなすことに反抗を示した。そんな昌夫も、許婚者の澄枝のことを話されるとおとなしい少年に戻った。ドラマーを志す昌夫は澄枝との結婚を夢見て小さなバンドのボーイとして働いていたが、芝という街のやくざものにキョウカツを強いられた。分け前で澄枝に何でも買ってやれるという甘い誘惑と、カツアゲの相手が昌夫の母の不倫相手だったことも、昌夫の良心をマヒさせた。鑑別所の少年達は相変わらず反抗し、手に負えない狂乱ぶりをみせたが、昌夫はこれらには加わらず孤独を守っていた。しかし向井の熱心さには、なぜか反抗したままだった。昌夫には澄枝の励ましの言葉が必要だと考えた向井が澄枝を尋ねると、昌夫が鑑別所行になったあと澄枝の美貌に目をつけた芝の暴力により、彼女はあいまい飲屋の売春婦になっていた。向井は澄枝を友人の玩具工場に世話し、昌夫には「澄枝君は、君の更生を待って立派に働いている」と励ました。しかし芝の子分サブが鑑別所に送られて来て、澄枝の境遇を喋り…。
日本
日活
製作:日活 配給:日活
1959
1959/12/1
モノクロ/7巻/2125m/78分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】中央区(銀座夜景)/渋谷区(渋谷)