娼婦に身を売りながら日本脱出を夢にみる大学生と、セックスや暴力に青春を賭けるバンドマンを主人公に、若者の刹那的な生き方を捉えた問題作。
「ねぇ私の天使、あいつらに抱かれていても、決してあんたのことは忘れないよ」同棲している女にそう言われ追い出された大学生の靖男は、静かにアパートを出て喫茶店に向かった。靖男は外国人専門の娼婦の愛人になることで何とか生活していた。唯一の希望は懸賞論文に入選してパリに留学すること。喫茶店では、売れないバンドを組んでいる弟の滋にフランス語の個人教授を引き受けてくれと頼まれた。生徒は歌手志望の若い女性、明子だった。やがて靖男は明子と関係を結ぶが、娼婦との関係は切れず憂鬱な日々を過ごしていた。一方、弟の滋はバンド仲間と爆弾を作り、世間の鼻を明かしてやろうと意気込んでいた…。