おヤエのもぐり医者
おやえのもぐりいしゃ
好評"おヤエシリーズ゛第七弾。おヤエさんがお馴染みの女中から医者に鞍替えして、庶民の味方・人情医に扮する爆笑喜劇篇。

ここは大東京といっても、隅田川に面したスラム街。その一隅にある若水医院は、老院長・若水甚作の人柄によって貧しい住民から重宝がられていた。しかし、その老院長も遂にひとり娘おヤエを残して他界した。おヤエは父親の助手を勤めてきたものの、看護婦の免状だけでは開業出来ず「売り家」のフダを貼り出した。ところが、患者の常さん、おしげさん、スリの虎さん達は、寝耳に水。「お願いですから医者を続けて下さい」と、あがりこんで押し問答。そんなとき、フグ中毒の知らせを受けたおヤエは、往診鞄を持って表に飛び出し、虎さん達は心から歓声をあげた。駆けつけた長屋でフグ中毒を起こしていたのは、失業者の徳さんの親娘。「フグのはらわたを拾ってまで食べたらしいですよ」と言うのは隣人の若村という男で、最初の発見者。その若村に「先生、これは心中未遂ですから警察に届けましょうか?」と言われ、さすがのおヤエもビックリ。慌てて首をふるのだった。その夜は夜で、チンドン屋の親方が「盲腸の手術をして下さい」と、クラリネット吹きの水野を抱えてきた。医師法違反だと断わったが、苦しむ水野の姿におヤエは手術を引き受ける。偶然来合せた若林が臨時の助手になり、水野は手術室へと運ばれた。が、待合室にいた虎さん達は、ひょっとしたことから若林が警察の人間であることを知り、愕然とする。そんなこととは知らず、無事に手術を終えたおヤエは、ホッとするのも束の間、そのことを虎さんから耳打ちされ…。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/10/28
モノクロ/5巻/1547m/57分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】墨田区(ガスタンクを臨む隅田川ほか)/中央区(佃島渡船場)