ギターを持った渡り鳥
ぎたーをもったわたりどり

渡り鳥シリーズ第一弾。夕映えの港町に流れついたマイトガイ・アキラ扮する渡り鳥が、ギターを背に鉄拳と銃と唄の嵐を捲起こす西部劇調の娯楽アクション大作。

過去を捨て、ギターを背にあてのない旅をつづける渡り鳥・伸次は、流れついた港町のバーで流しのサブの危機を救ったことから腕っぷしを認められ、サブの親分である秋津のもとへ連れて行かれた。一度はことわったものの、伸次は秋津のもとで働くことを承知した。ゲームセンターの拡張を狙う秋津に、伸次はマーケットの住民の立ち退きを命じられた。腕にものを言わせるおどしに、住民たちは伸次を“鬼”と呼んだ。だが秋津の娘・由紀だけは、何か過去の暗い影が伸次を非情な男にするのだとみていた。沖合の小島にもアミューズメントセンターを建てたい秋津は、邪魔な丸庄漁業を潰そうと腕の良い伸次を島に渡らせた。ところが丸庄の女房・澄子が秋津の実の妹だと知った伸次は島を後にし、この仕事を断った。ある日、秋津のもとへジョージという神戸の田口組のやくざがやってきた。ヤクの密輸を沖合で取引するため、鉛を借りにきたのだ。ジョージは、挨拶代わりのダイス遊びで伸次が見せた巧みなさばきに、どこかで会ったような感覚に襲われた。数日後、ジョージと伸次を乗せた船が、ヤクの取引のため沖合に出発した。甲板に出たジョージは、意味ありげに伸次に拳銃の勝負を挑んだ。空に舞う十円銅貨がジョージの拳銃で弾け、さらに一発の銃声が響いた。ハッとなったジョージは「判ったぜ、お前は神戸市警をクビになった野郎だ!」と言い再度勝負を挑んだが、巡視艇が近づき、決闘はおあずけとなった。その夜、秋津に船を担保にとられ口惜しがる丸庄が何者かに殺され、溺死体となって岸壁にうちあげられた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/10/11
カラー/78分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2119m
日活
【北海道】函館市(函館山、函館港ほか)