不良少年・少女たちのユートピアとその終焉を描いた、鈴木清順監督による異色青春映画。赤木圭一郎の初主演作。
米軍基地の片隅にうち捨てられてあるカマボコ兵舎。19歳の健をリーダー格にサブ、ダダ公、バッタたちの不良少年少女たちはそこを別荘と呼んで秘密の隠れ家にしていた。彼らは盗んだバイクで大学生相手にスピードを競い、負けた相手から金をせしめるなど、様々な手段で金を稼いでは全員に平等に分配するのだった。家が貧しいサブは沢山金を貯めて高校に進学したいという夢があり、もうすぐ二十歳の誕生日を迎える健は大金を手にしてこの生活から足を洗いたいと考えていた。ある日「爆発する少年やくざ!」「恐るべきローティーンの暴力」など彼らの記事がデカデカと新聞に掲載される。健が記者にネタを提供していたのだ。記者の口車に乗せられたことに気付いた健は、やけくそになって爆弾運びの危険な依頼を引き受けるのだった。