若い豹のむれ
わかいひょうのむれ

日刊スポーツ連載、秋永芳郎原作小説の映画化、マイト・ガイ、アキラの魅力を爆発させる青春アクション巨篇。

銀座にある高級バー“リラ”には、男達の心を奪う夜の蝶の香が漂っていた。なかでも馨子の美しさは、白川浩の恋情を駆り立てていた。馨子は、ボクサーだった浩の兄と死に別れてこの世界に入り、経済的に浩を助けていた。浩は義弟ではなく男として馨子に激しい恋をおぼえ、毎夜バーに通っていた。浩の気持を知りながらも、病気の妻を持つ日東石油社長・宮川周平を馨子がアバートに招いた夜、周平の妻・順子は、一人娘・由布子に見守られながら世を去った。葬儀の日、焼香する浩の姿を見た周平はハッとなった。由布子と浩は、大学の友人だった。数日後、周平の会社を訪ねた浩は「愛しているなら、義姉を捨てないでください」と周平に頼み、やり場のない気持をジムでボクシングにたたきつけ、馨子を忘れようとした。試合の日、浩のファイトは馨子の拍手で爆発しKO勝ちしたが、馨子のそばには周平の笑顔があった。周平と馨子の結婚披露パーティーの夜、浩は二人の倖せな姿を見るのがつらく、夜の盛り場に飛び出した。刺激を求める浩が、ボクサーくずれのチンビラ進の誘惑に負けるのは早かった。キャバレー“ポエム”で進は、実の姉チエミを浩に紹介し、さらに顔役の藤谷一郎に浩の腕っぷしの強さを買わせた。グレていく浩を由布子はじめ友人の大須賀と守屋も忠告したが、浩の心は戻らず、チンビラやくざの進と同じ道を突っ走っていった。ある日、進が落とした三万円を苦面するため藤倉の悪事の片棒をかつぐことになった浩は、進らと秋田に向かった。秋田の油田王・藤田大五郎は市内きっての旧家として、日東石油の周平と契約を結んでいた。浩たちは、その契約を暴力で脅し、藤倉のボスである大洋石油と契約させようと計画したのだが…。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/6/16
モノクロ/9巻/2315m/84分/シネマスコープ・サイズ
日活
【秋田県】秋田市(走るSL、橋梁を渡る秋田市電、竿灯、秋田駅構内、秋田駅前広場、帝国石油油田付近)
【東京都】新宿区(新宿駅~新宿通り俯瞰、伊勢丹前交差点、新宿地下街、二幸前地下鉄出口、新宿駅中央地下道口前、歌舞伎町、跨線橋)/台東区(上野駅前)/千代田区(東京駅丸ノ内口)