おヤエの身替り女中
おやえのみがわりじょちゅう
お馴染み独特のズーズー弁で活躍する“おヤエ”シリーズ第三弾は、涙と笑いで人情の機微を描く娯楽篇。

風薫る五月。みんなが浮かれ出すこの季節も、おヤエは女中稼業に精を出す。そんなおヤエに商店街の抽箋で、三泊四日の伊豆温泉めぐりが当たった。奥さんがお産で入院中ということもあり、退院する四日目までに帰ってくる約束で、旦那様は暇をくれた。生まれて始めての温泉旅行に、中学生の金二郎クン、お婆ちゃんのおトリさん、小唄師匠の達之介さん、保険屋の波川さんたちとともに颯爽と湯の町熱海へ乗り込んだおヤエは、一日目の宿・つるや旅館に到着。今日は女中の身も忘れてチップもはずみ、いざ待望の夕食というときになってバッタリ顔を合わせたのは、この宿の女中で故郷の村をともに出た昔馴染のお清さん。給料の前借りのため、父親の病床に顔を出すことも出来ないと聞いたおヤエは、楽しみにしていた温泉旅行を中止し、お清さんの帰るまで身替り女中を勤めることにした。慣れない旅館の女中奉公ながら、おヤエは獅子奮迅の大活躍。まるでスーパーマンみたいなおヤエの働きぶりに感心し、三日間で旅館をやめられるのが惜しくなった旅館の亭主は一計を案じ、三日目の正午、熱海駅に下り立ったお清をつかまえると、伊東の旅館に鞍替えさせてしまった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/5/19
モノクロ/6巻/1492m/54分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】品川区(武蔵小山商店街)/大田区(雪谷付近)【静岡県】熱海市(熱海駅・俯瞰、同・駅前、熱海温泉・つるや旅館、お宮の松、旅館・熱海川良)/伊東市(伊東駅前、伊東温泉・川良別館)