東京の孤独
とうきょうのこどく
サンデー毎日連載、井上友一郎原作の映画化。プロ野球に飛び込んだ二人の新人が新人王と恋を賭け意地と闘魂を描く青春劇場篇。

東京ディッパーズの新人テスト場がある伊東の街へ、二人の無名の男が降りたった。プロボクサー猿丸真二郎は九州男子の面目と少しばかり茶目気な面を持った青年で、投手を目指し、大貫監督を尊敬していた。打撃志望の黒柳平介は不敵な面構えと野心が潜むタフな若者で、その傲慢なプレーは爆笑を買いながらも、堀木コーチやスポーツ記者・野々宮に「これはイケる」と印象づけた。一方の猿丸は、伊東への車中でスリに遭い一文無しで困っていたところを、ディッパーズファンと称する美しい女性に助けられた。しかし、テスト場に大貫監督夫人・薫とともに陣中見舞いに現れたその女性が、大貫監督の妹・登世子であると知り、力みすぎて暴投してしまった。が、大貫監督は猿丸の将来性を買った。帰りの車中、猿丸は登世子の美しい横顔と自分の実力にいたたまれず、再びジムに帰ることを決意した。ディッパーズ首脳部は、二人の無名新人の採用に優勝を賭けた。大貫監督も自分の地位を賭けた。しかし裏には、猿丸と黒柳を入団させても優勝出来ないと考える、二軍監督小芝の大貫監督の失脚への狙いがあった。ところがそんな期待と策略をよそに、テストの日以来、二人は消息を絶った。ある日、名スカウトと自負する野々官のもとに、黒柳から売込みの手紙がとどいた。計算された売り込みで黒柳は百万円で自分を売り、野々宮は二百万円でディッパーズに売った。一方テレビのボクシング中継で偶然猿丸を見つけた登世子は、大貫とジムを訪ねた。しかし猿丸は野球にも拳斗にも自信を失い、すでに郷里福岡に戻っていた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/5/12
モノクロ/105分/シネマスコープ・サイズ/11巻/2879m
日活
【静岡県】伊東市(伊東駅)/伊豆市(キャンプ場)
【東京都】台東区(浅草)/文京区(後楽園球場)/世田谷区(駒澤球場)
【福岡県】福岡市(福岡平和台、東公園日蓮銅像前、大濠公園、春吉、吉塚駅前資生堂販売会社)