夜霧に消えたチャコ
よぎりにきえたちゃこ
愛しき人の面影を胸に、忌わしい過去を恥じ夜霧に消え去る失意の女。フランク永井のヒット曲にのせて描く歌謡悲恋映画。

濃霧の夜、タクシーの運転手・遠藤節夫は轢いてしまった若い女を近くの病院にかつぎ込んだ。車による被害はほとんどないことを聞かされホッとしたが、女が自殺を計っていたと知り、驚いた。チャコと呼ばれるその女の名は、広瀬久子。彼女の遺書からチャコが身許不明の孤児で原子病患者であることを知った節夫は、深い同情を抱くのだった。自分の運転する車がチャコを轢いたのは何か運命のように思える節夫は、妹の公子からチャコを引き取る同意を得て、公子の心づくしの御馳走で彼女を温かく迎えた。そんな節夫の様子に、公子は兄がチャコに抱いている密かな恋心を感じた。翌朝、節夫と公子が外出した後、新聞でチャコの事故を知ったというマダム風の女、中村たまがチャコを訪れた。節夫が帰るとチャコの姿はなく、机の上に金の小鈴と「御親切は生涯忘れません」と書かれた置手紙があった。節夫は、やり切れない気持を詩作にまぎらした。そこへ、日頃から節夫の詩才を認め激励する作曲家・永井が訪れ、節夫の詩に感動するのだった。あてもなく放浪していたチャコは、銀座の酒場「ボザール」のマダムに拾われ、店で働くことを勧められていた。落着き先を得たチャコは、優しかった節夫の面影を胸に、今までの辛かった生活を思いめぐらすのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/5/12
モノクロ/5巻/1343m/49分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】港区(東京タワー、赤坂、乃木坂)/渋谷区(渋谷駅付近、恵比寿駅前)/中央区(銀座)