才女気質
さいじょかたぎ

京都の古い商家を舞台に勝気な賢女の母とその娘、息子達の新旧二世代がかもし出すユーモアとペーソス溢れる明朗喜劇篇(賢女気質より)

京都四条木屋町の表具商・松江堂は小店ながらも30年の暖簾を誇っている。それは主人・市松の腕というよりはその女房・登代の世渡り上手によるといった方がよいだろう。そんなわけでこの夫婦はカカア天下である。しかし市松は気が弱くずぼらな自分の性格をよく分かっているので、万事登代に任せ頼り切って、むしろ喜んで女房の尻に敷かれているのである。だから市松には一言も相談せず、今春大学を卒業して遊んでいる次男の令吉の縁談を登代がさっさと決めてしまった時も、彼は文句ひとつ言わなかった。令吉の花嫁候補は西陣の織常の娘・久子で、織常が格式ある旧家であることがまず登代には気に入った。こうして縁談はまとまったのだが、実は久子は登代の娘・宏子の友達で、そんな関係から令吉と久子は以前からの恋仲なのだが、世間体を重んじる登代が気に入るように、わざわざ知らない仲を装い見合いまでしてみせたのである。見合いと前後して令吉の就職も決まり、令吉と久子の若夫婦は家の離れに幸福な愛の巣を構えた。が、この幸せにもすぐに波風が立った。若い二人の甘さが登代には苦々しく思われ、何かにつけて久子に厳格なしきたりを口にするようになったのである…。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/4/15
モノクロ/87分/シネマスコープ・サイズ/9巻/2397m
日活
【京都府】京都市(四条大橋)