チャンピオンの栄光を賭ける男の誓いを描き、恋あり、唄ありでマイトガイ・アキラの新魅力を盛り込んだ娯楽大作
「俺はやるぜ、父さんが取れなかったチャンピオンの栄光を―俺の腕で勝ち取ってみせるぜ!」夜更けの岸壁に立つ学生プロボクサー・須貝慎一の瞳は、タイトルマッチに敗れたことから酒に溺れ、海に落ちて死んだ亡き父の悲運の面影を海に求めた。慎一はまだ浅いプロ生活だが、殺人パンチといわれる鉄拳でついに全日本ライト級チャンピオンの挑戦者として選ばれたのだ。しかし、保育園を営む慎一の母は、父と同じ道を進もうとする慎一を前に愚痴をこぼし、秘かに思っているボクシングジムのオーナーの娘・高見由紀にもボクシングがあまり好きでないと言われると、慎一はひとりぼっちになりたくて父が死んだ忘れ得ぬ岸壁に来たのだった。我に返った慎一は、何かうめき声を聞いてハッとなって倉庫の影に近づいた途端、黒い影が慎一を襲った。本能的に必殺のパンチが飛んで黒い影は四方に散った。ジムの門限までに帰らなければならず慎一は後ろ髪をひかれる思いでその場を去ったが、慎一の去った後には、うめき声の謎を秘めるかのようにメダルが一個、そしてそのメダルを拾いげる者があった…。