仮面の女
かめんのおんな
秘めし過去に悶え泣く女の恋の切なさ、哀れさを描いた文芸感動篇。週刊サンケイ連載の評判小説を映画化。

城東大学の助教授・朝吹順一は、友人たちが歓迎会を開いてくれた飯坂温泉に行く汽車の中で、隣席の若い女性・亜美子と知り合った。「恋人と別れるのです」と顔を染める亜美子に、朝吹は興味を持った。湯治に来ていた先輩・琳子を訪ね、恋人・菊川の浮気を伝えた亜美子は東京へ戻ると、菊川のアパートを出て柏木へ引っ越した。 亜美子は菊川のために新宿の特飲街にまで身を落としたが、売春禁止法とともにクラブ「シャルム」に勤めている。しかし、菊川の元を離れ更生しようとする亜美子の肉体に菊川は迫り、亜美子も身を許してしまうのだった。ある日、亜美子の勤めるシャルムへ友人の梶原に連れられて朝吹がやって来た。思いがけない再会に驚いた朝吹は度々シャルムを訪れ、だんだん彼女に惹かれていった。朝吹には妻がいるが、胸を患い二年ほど床に臥していた。ある夜アパートまで亜美子を送った朝吹は、初めて彼女を抱擁した。自分の素性を語ろうとする亜美子の言葉は、朝吹の唇にふさがれてしまった。次の日、朝吹は亜美子へのプレゼントに指輪を買おうとシャルムを訪ねたが、亜美子は辞めてしまったという。朝吹は柏木のアパートにも足を運んだが、既にアパートも引き払ったあとで、彼女の姿はなかった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/2/24
モノクロ/10巻/2606m/95分/シネマスコープ・サイズ
日活
【福島県】福島市(福島駅・ホーム、同・改札口、飯坂温泉・全景、同・若喜旅館、同・松島屋旅館、・摺上川を臨む十綱橋上)
【神奈川県】藤沢市(江の島マリンランド)
【東京都】渋谷区(千駄ヶ谷)/新宿区(四ツ谷駅ホーム)/台東区(上野駅ホーム)