実いまだ青し
みいまだあおし

若き高校生を通じて友情と将来に対する憧れを描いた感動の青春抒情篇

山国の小都市にある北山高校の学生たちは来るべき対抗野球試合の話で持ちきりである。だが、三年生の花巻竜司だけは何故かこの騒ぎに取り残されたように憂鬱だった。竜司の家は伝統あるお寺であったが、父の玄城は長い病で臥せたきりだ。竜司は東京の大学を出て、建築家になろうと心を決めていたのだが、両親は竜司が寺の十五代目をついでくれることをのぞんでいる。来年は大学、と思うだけでも憔る心が出てしまうのだった。ある日の放課後、竜司は応援部のボス桐村たちに呼び出され、竜司が学校新聞に書いた記事のことで殴られた。それを知った親友大淵沢達也は、かけつけてきて竜司を助ける。竜司は自分の気持ちを達也に話すと、彼の生き方は竜司と少々違い、芸者の母を持ち父のない自分では一流会社へ入れる見込みもないので、割り切って、料理屋をやっている自分の家の調理場を一生懸命手伝い、やがて、この町で一番大きな料理屋にしてみせるんだ、と言うのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1959
1959/2/4
モノクロ/88分/シネマスコープ・サイズ/10巻/2419m
日活
【岐阜県】高山市(飛田、大新町、日下部市長宅、東山寺、朝日町)
【長野県】北山蓮如寺