狂熱のトランペットに嵐呼ぶアクション!哀愁のギターに流れる清廉の大ロマン!颯爽!三悪トリオが新春に放つ「嵐を呼ぶ男」姉妹篇!!。
淡いレインボーカラーに彩られた銀座の土曜日の夜は、青春の吐息と嬌声の坩堝である。ジャズ喫茶「ジャズボート」は野球の長嶋、相撲の若乃花と並んでハイティーンの人気者、岡辺、川添とレッドアンドブルーの出演でごった返していた。この二人は、かつての名トランペッター、旗孝一郎の薫陶を受けていた。その旗は現在では落魄して場末のアルサロでトランペットを吹いていたが、そのデキシースタイルの音色だけは冴えと威厳を保っていた。この老いたる楽士の心を癒してくれるのは、師匠想いの岡辺、川副と、旗と一緒に暮らしている千秋だった。千秋は表面、旗の娘ということになっているが、実は旗の一人息子で、今では“流しの旭”と仇名のある暴れ者にぐれてしまった稔の許婚者だった。ある日、岡辺、川添の二人がナイトクラブ「金馬車」の踊り子、マリ子の楽屋で旗の息子とは知らず”流しの旭”と喧嘩してしまったが、その後旗の口から「何も聞かないでくれ、恥を言うようだが”流しの旭”はわしの息子なんだよ」と聞かされ愕然とするのだった…。