忘れ得ぬ人(第一部)
わすれえぬひとだいいちぶ
LF他十八局連続放送劇の映画化で美しき人の幸せを願い、茨の道を往く薄幸の乙女が綴る哀愁のロマン大作

南原造船の若い技師長・南原浩と日本テレビのディレクター・香椎美也子は、浩の親友である獣医・鬼塚や、北海道から療養のため15年ぶりに上京してきた美也子の母・道代達の温かい協力で幸せな結婚に進むかのように見えた。しかし、美也子の弟・康二がバンドマンとして勤めるキャバレー「紅ばら」の経営者・工藤のもとに南原造船の手形が廻って以来、造船所乗っ取り事件を巡って浩と美也子の上にも愛の破綻が兆し始めた。切羽詰まった浩の父で南原造船社長の南原省策は知人の村山産業社長に金策を依頼したが、村山の手先である工藤の謀略で失敗してしまった。父の金策の失敗により、浩は北海道の牧場を担保に村山を説き伏せたが、その裏には浩を思慕する村山の孫娘・今日子の懇願が担保以上の役割を演じていた。いっぽう、康二と「紅ばら」のダンサー・エリ子との火遊びを知った工藤は30万の金を用意しろと康二を脅し、弟思いの美也子は康二の苦境を知るや偽善者とは知らぬ工藤に金を借りてしまった。

日本
製作:日活 配給:日活
1958
1958/12/10
モノクロ/7巻/1720m/63分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】千代田区(東京駅・9番線ホーム、同・丸の内口、神田、日本テレビ・本社前、同・応接室)/港区(神宮外苑、国立国会図書館=現・迎賓館赤坂離宮前)/大田区(羽田空港)
【北海道】千歳市(千歳飛行場)/小樽市(オタモイ、小樽駅、小樽港第三埠頭、三馬ゴム工業㈱工場(現・㈱ミツウマ)/札幌市(薄野、北海道大学第二農場、同・ポプラ並木)/江別市(町村牧場)