大阪の風
おおさかのかぜ

畔柳二美の原作を三木克巳が脚色した笑いの中に限りない感動を呼ぶホームドラマ巨篇。

「次郎!わしは今日までお前を自慢に暮らしてきた。昼行燈みたいな一郎と違うて、お前は見所のある奴やと思うとった」関西食品KKの実直な社員大川清吉は、息子次郎の高校での不始末を罵りながら、オロオロする妻朝子や次郎の姉久子を尻目に出勤した。清吉は会社の廊下で壷田人事課長に呼び止められ、壷田の推薦で長男一郎が東京の一流メリヤス問屋に就職が決まったと聞かされた時、親に黙って勝手なことをした不肖の息子が恨めしくてならなかった。その上、越年資金の組合運動に対する参加の勧誘だった。これにも困り抜いたが、引き受けざるを得ない清吉だった。一方、大川家では一郎が東京から帰り、朝子は大喜びで壷田の家に就職の礼に出かけた。また近くの相川家の娘和子は一郎の就職を心から喜んで、一郎を有頂天にさせるのだった。その頃、壷田課長夫人ミヤの紹介で、久子と関保夫との見合い話が起こった。すでに二十九才で、不思議に縁遠い久子は勿論、清吉らも焦っていた折でもあり、しかも課長の紹介とあっては、相手に子供があり、片耳不自由という悪条件にも拘わらず、清吉は家族の反対を押し切り話を進めてしまった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1958
1958/12/3
93分/10巻/2541m/モノクロ/シネマスコープ・サイズ
日活
【兵庫県】尼崎市(神崎川)/芦屋市(阪神電車芦屋駅ホーム、同・改札口、同・駅前、西山町)
【大阪府】大阪市(大阪駅前、阪神電車、淀川鉄橋、御堂筋、阪神百貨店、同・食堂前、道頓堀、大阪城)
【東京都】千代田区(東京駅、日本橋横山町繊維問屋街)