都会の怒号
とかいのどごう

財布の中に隠された一枚の謎の美女の写真をめぐって起きた戦慄すべき殺人事件と、その事件に巻き込まれた男たちの正義と愛憎を描くアクション・ドラマ。

芸能事務所の社長である島本は、銀座の並木道で美しい女性を見つけてスカウトするが、突然横から出てきた男がその女性の腕を掴んで車に押し込み走り出してしまった。呆然とする島本だったが、ひとまずタクシーで彼らを追いかけた。そんな島本のポケットから見知らぬ財布が出てきた。というのも、その美しい女性は名を恵子と言い、腕利きのスリで、財布を盗んだのが男にバレて、咄嗟の判断で島本のポケットに財布を滑り込ませたのだった。男はホテルの一室に恵子を連れ込み、財布を返して欲しいと懇願するが、既に恵子の手元には無い。恵子が困っていると、ギャングの一団が踏み込んできて、逃げ回る男を殺してしまった。危機一髪、何とか窓から逃げ出した恵子は、待ち受けていた島本と一緒にひとまず芸能事務所に行くことにした。島本は恵子に踊り子になるよう勧めるが、その気のない恵子は隙をみて姿を消してしまう。翌日、ホテルの殺人事件が報道され、容疑者として恵子が指名手配された。島本はそれが良い宣伝になったと考え、何としても恵子を踊り子にしようと彼女を探すことにする。一方、財布を追うギャング団も血眼になって恵子を探していた。

日本
製作:日活 配給:日活
1958
1958/11/25
モノクロ/9巻/2192m/80分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】千代田区(東京駅八重洲口駅頭、地下鉄丸ノ内線大手町駅入口、同構内売店、御茶ノ水駅付近の路上、地下鉄丸ノ内線淡路町駅ホーム及び線路、東京復活大聖堂(ニコライ堂)前、聖橋)/中央区(銀座実景、地下鉄丸ノ内線西銀座駅出口、数寄屋橋交差点、箱崎、ヤマハ銀座ビル屋上、東京高速道路、晴海埠頭)/台東区(浅草松屋・屋上遊園地、同・スカイクルーザー上、隅田川畔)/地下鉄丸ノ内線車内
※筑波久子が三原一夫に連れ込まれるホテルの外観と街角は日活撮影所の食堂及び本館を飾り替え
※ラストシーンの丸ノ内線地下鉄線路は撮影所内に作った全長70ⅿの大規模なセット