青い乳房
あおいちぶさ

強姦された過去を持つ母、彼女に反発する腹違いの息子。捩じれた家庭の崩壊と再生を描く。小林旭が『踏みはずした春』に続いて不良少年役を演じた青春映画。鈴木清順ならではの映像美が光る作品。

会社社長・堀江耕造は若くて美しい容子を後妻に迎えた。高校生の息子・宏も若い義母に好感を持っているようにみえた。だが容子と買い物に出掛けた宏は突然態度を豹変させ、容子のハンドバッグから札束を抜き取ると招待状が入っている封筒を手渡しして人混みに消えていった。宏は街で出会った見知らぬ高校生・節子を誘ってジャズ喫茶・南蛮に行った。節子は若い男を家に引っ張り込んで情痴に狂う母に反抗して「不良になってやる」と息巻くのだった。南蛮の二階ではこの店のマダム・美智の情夫・ジャックの健がエロ映画の編集をしていた。母親から小遣いせびりの入れ知恵を宏につけたのも健だった。その頃、容子は宏から渡された招待状が高村という未知の男からだったことに不信を抱き、その会場を訪れる。しかし一枚の風景画を見た瞬間、容子は失神した。7年前その現実の風景のもとで、何者かにより彼女は犯されたのだった。その後、容子は健という男からも7年前の記憶を呼び戻され、10万円の脅迫を受けるようになる。

日本
製作:日活 配給:日活
1958
1958/9/8
モノクロ/10巻/2475m/90分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】豊島区(池袋駅前、西武池袋店、東西をつなぐ地下道、池袋西口・ロマンス通り、池袋西口・喫茶「南蛮」、椎名町駅前、西武池袋線電車内)/練馬区(豊島園・池の畔、同・ウォータースライダー、同・プール)/中央区(月島付近) 
【神奈川県】藤沢市(江ノ島)