フランク永井の魅惑の低音によるヒットメロディを映画化した、恋と笑いの喜劇篇。歌謡界ばかりでなく映画界でも人気者となったフランク永井は歌とジョッキーで出演。
西銀座駅前スキヤ橋センター商店街にある「さざなみ薬局」の理子夫人は薬剤師。小学生の子供二人と、夫人の経営する薬局に勤務している重太郎というご主人がいる。生活力旺盛な夫人の尻の下に敷かれウツウツとしている重太郎は、奇病の持ち主だ。昔、南方戦線で奮戦中に漂流したチヤリ島で、サリーという娘と恋をした。その楽しかった幻想が時々現実とごっちゃになってしまう病気なのだが、不思議なことにサリーの顔は、店の前の万年筆屋の店員ユリとそっくり。重太郎の親友で獣医の浅田は、それは精神的糞ズマリ症で、浮気することによってのみ救われる、と言う。ある日、理子夫人が子供と湘南の海浜に遊びに行くことになった。二晩の自由を得た重太郎に、浅田は「抑圧されている野獣的エネルギーを発散すべし」とけしかける。しかし夫人の怒った顔が脳裏に浮かび、なかなか浮気する勇気が湧かない重太郎だったが…。