東京のバスガール
とうきょうのばすがーる

バスガイドとして働く女性に突如として訪れた幸運とその騒動、そして純粋な恋心を描く。友人役のコロムビア・ローズの歌声が心地よい青春明朗歌謡篇。

東京観光のバスガイドであるミネ子と、恋人で洗車係アルバイトの吾郎は結婚資金のことで揉めていた。仲が良すぎるためよく喧嘩もするのだ。翌朝、ミネ子は団体客を案内するため上野駅前にバスをつけると、不敵な笑みを浮かべる男、笹川が待っていた。そいういえば昨日もこの男は客としてバスに乗り込んできたのだった。笹川は鎌倉八幡宮の境内まで来ると、ミネ子に結婚して欲しいと言い寄った。あまりの突然のことにミネ子が呆然としていると、彼女を追いかけてきた吾郎が笹川を殴り飛ばした。その夜、笹川のしつこい行動を訝しがりながら下宿に戻ったミネ子は更に驚くニュースを知ることになる。ブラジルで死んだ横山修なる人物の遺産三億円がミネ子に相続されたというのだった。当のミネ子は横山という人物を知らず、狐につままれたような気持ちだった。翌朝には「幸運のバスガール!ブラジルから三億円の遺産!」と大々的に報道され、遺産目当ての欲に憑かれた大人たちがミネ子の元に大挙して押し寄せた。ただ一人、恋人の吾郎だけは「もうミネ子さんとは身分が違ってしまったから結婚できない」と、ミネ子の周りの騒乱に辟易して実家に帰ってしまう。

日本
製作:日活 配給:日活
1958
1958/7/22
モノクロ/54分/シネマスコープ・サイズ/6巻/1491m
日活
【東京都】千代田区(東京駅前、皇居前広場、国会議事堂前)/文京区(東京大学前)/新宿区(早稲田大学、明治神宮競技場)/台東区(上野駅前、隅田公園、観光バス会社の寮)/八王子市(高尾山附近) ▲(東京観光バス・車庫、同・営業所、京浜国道)
【神奈川県】鎌倉市(鶴岡八幡宮・境内)
【山梨県】大月市(猿橋)/富士河口湖町(河口湖)