チャンチキおけさ
ちゃんちきおけさ
月がわびしい路地裏の屋台の酒のほろ苦さ、で知られる同名のヒットソングの映画化で、三波春夫が主演する歌謡篇

郷里の佐渡から、弟の三郎が出て来るという電報を手にした田所太平が憂鬱な面持ちで浅草の路地裏の飲み屋“大吉”の縄のれんをくぐった時、ジャンパー姿の春さんが得意ののどで「チャンチキおけさ」を唄い、店の娘・町子や一杯機嫌の男達が小皿を叩いてそれに和していた大騒ぎが一瞬靜まり、春さんの目がチラリと光った。だが、それも束の間、また賑やかな唄が始まった。血気盛んな三郎は、まえから貧しい漁村の生活をきらい、長兄の源一とは全然ウマが合わなかった。きっと今度も、源一と争い、その挙句に恋人の千枝も置き去りにしてオレを頼りに上京して来るのに違いない……そう思うと、みじめな自分の姿に堪えられない程の苦しみを感じ、一人黙々と盃を重ねる太平だった。三郎が上京して来た。しかし三郎は、かつて競艇選手の花形で目下水上バスの運転手をしているという太平の生活が、余りに貧し過ぎ、競艇選手になりたいという希望を、色をなして止める太平を見て不思議でならなかった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1958
1958/7/6
47分/5巻/1293m/モノクロ/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】台東区(吾妻橋船着場、吾妻橋上、浅草国際劇場前)/墨田区(隅田川、隅田川を走る水上バス、東駒形・吾妻橋と浅草松屋が見える河畔の家、隅田公園、墨田区役所前・対岸に浅草松屋を臨む居酒屋前)/中央区(銀座・中央通り松坂屋前付近)/江東区(東京港)
【新潟県】佐渡市(河崎海岸、尖閣湾、海の見える丘、街中他)