純愛と狂暴な情欲が同居するハイティーン族の無軌道な生態をリアルに描破した藤口透吾原作「BBSの女」の映画化。
緑川奎子がはじめて信夫に会ったとき、彼は背中一杯に反抗の色をみせて立っていた。愛情のない家庭に育ち、父親殺し未遂で少年院から出てきたばかりの彼には、世の中のことが全て信じられないのも無理はなかった。「信夫くん、良い友達になりましょう」声をかけた奎子は、不良化したり罪を犯した少年少女を兄や姉の立場になって更生させる運動を行うB・B・S(ビッグ・ブラザース・アンド・シスターズ)のメンバーで、この連盟に入って初めて扱う少年が信夫だった。すべての愛にそむくような信夫だったが、彼にも好きな女がいた。幼稚園の事務員をしている中学時代の同級生・和恵に対してだけは19歳の年齢そのままに純情で、奎子の言葉には耳をかさなかった信夫も、和恵のやさしい気持に動かされ就職する気になった。しかし暗い過去を持つ彼に、社会は冷たかった。それでも立ち直り、絵のうまい信夫は似顔絵描きを始めたのだが・・・。