ある蒸し暑い夜、江東警察署巴橋派出所の小島孝夫巡査が立ち番をしているところへ、チンピラ風の男が喧嘩を知らせにかけ込んで来た。小島は僚友の須原正一巡査を残し現場へかけつけたときには人影もなく静まり返っていた。戻ってくると須原は外出し、机上には彼の呑みほしたと思われるジュース瓶と並んでジュースが置かれていた。小島が何気なくそれを飲んだところ急に意識不明に陥ってしまった。その間に、派出所近くの空き地に停まっていた車の中から2つの死体が発見された。進興商事社長の乾万之助とその運転手で、死因となった致命傷は胸部貫通銃創で、凶器が小島の拳銃であったことから、彼は容疑者として逮捕拘留され警察も辞めた。小島は巧妙な罠を仕掛けた犯人の手口を憎み、恋人の勢以子とも別れる決心をし、一命を賭して事件の真相を探るべく単身行動を開始した。