どうせ拾った恋だもの
どうせひろったこいだもの
過去の暗い影に悩み、酷な運命に堪えてひたすら愛する人への思慕に幸福の夢を追う乙女の姿を描いた歌謡哀愁篇

夕闇迫る頃、渋谷繁華街の喧騒からほど遠からぬ高野外科医院に、血まみれになったヤクザの伸次が、弟分の哲に支えられながら転がり込んで来た。喧嘩の出入りで下腹部を刺されたのである。あいにく、医師の秋山も婦長ののぶも不在なので、看護婦の道子が応急手当に止血剤を注射したが、手当の甲斐もなく、伸次は間もなく苦しみながら息を引き取った。翌日、秋山は昨夜以来何故かしょげている道子をやさしく慰めてやった。院長の高野の世話で大学を出させてもらった秋山は、周囲の人々からゆくゆくは高野の一人娘佳代子と結婚して病院の跡を継ぐものと思われていたが、彼の心の中では道子への愛情が燃え上がっていた。この病院の看護婦には道子の他、歌の上手な正代とまだ見習い期間中の幸子、それに婦長ののぶがいる。のぶは年下の学生北村との愛欲に溺れ、彼の愛を金で繋ぎとめるため、薬品購入の職責を利用し、悪質の薬品ブローカー大竹から廉価な粗悪品を仕入れて利ざやを稼いでいた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1958
1958/4/1
53分/6巻/1445m/モノクロ/スタンダード・サイズ
日活
【東京都】渋谷区(渋谷夜景、ガード下、ある通り)/台東区(上野実景、上野駅)/世田谷区(赤松公園)/渋谷区(美竹公園、神宮前)