悪魔の爪痕
あくまのつめあと
激しい銃火の嵐の中に混血児の兄と正義の弟が国際麻薬団を相手としてピストル片手に暴れ回る総天然色の活劇篇

裏日本の小さな漁港。どんよりした灰色の空、暗いうねりの海。粉雪の中をトロール船が一艘ひっそりと岸壁に着くと、背の高い外国人風の男が一人、人目を避けて降りて来た。数千万円に当る大量の麻薬を身に着けて密入国したこの男、ロード・ライアンは日本人を母に米人を父に持った混血児で、麻薬の運送代五万ドルを元手に母親を探そうと、日本にやって来たのだった。彼は新潟のキャバレーで踊るポルトガル女ニーナの手引きで東京にいるボス、ポールの処へ潜入した。ところが案に相違して金の代わりに突き出されたのはポールの拳銃の筒先だった。彼は初めて計られたことを知った。一瞬怒りに燃えたロードの拳銃が火を吹くとポールの拳銃ははね飛ばされていた。その腕の確かさにポールの一味が気圧されてひるんだ隙にロードは身軽に外へ飛び出していった。東京駅の私設荷物預り所のロッカーに麻薬入りのバッグを預けたロードは、朝鮮戦争時代の馴染みのバーで条太郎に逢った。目の色も国籍も違う二人だったが、なぜか、兄弟のように親しい気持ちが二人を結び付けた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1958
1958/4/1
93分/10巻/2553m/コニカラー/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】江東区(深川第八号埋立地)
【静岡県】下田市(キャバレー)