夕陽を翼一杯に浴びて、今しも羽田空港にサンフランシスコ線の旅客機が着陸した。スーツケースをさげて降り立った一見やくざ風の若い二世ジョージ・倉田は、ハワイから道連れになったドサ廻りの歌手フランクと横浜で別れると、直ぐ極東芸能社を訪れた。彼を迎えたのは社長の志村、社員の加島他数人、いずれもひとくせありげな連中である。ジョージは極東芸能の親会社、ナショナル芸能社のボスの内命を受け、巨額のダイヤモンドを持って駈け落ちしたアイリーン・原とシドニイ・岡を捕えるため、ハワイから派遣されてきたのである。三ン下のキッドの注進で、一同はシドニイの妹洋子が煙草売りをしているナイトクラブに急行したが、そこのステージでは、例のフランクが甘い調べを歌っていた…。