国際港神戸の暗黒街を舞台に、命知らずの男達の凄絶な死闘と、体を張った女達のエロティシズムを赤裸々に描いた異色活劇篇。
神戸の港町では、ちょっとした前科もので有名な慎二は、女たちにも人気のある男だった。赤新聞を発行する「文化レポート社」を任されていた慎二の事務所に、ある日「小田という男を探して欲しい」と、啓子が訪ねて来た。慎二は、麻薬中毒患者の巣窟である地下街に啓子を連れていくが、あまりの惨状に彼女は逃げ出してしまう。地下街には慎二の見慣れぬ男がいたが、その男こそが小田だった。数日後、小田を探すことを諦めきった様子の啓子が事務所を訪ねてきた。すでに慎二に惹かれていた啓子は慎二に身を委ね、二人の奇妙な夫婦生活が始まるが、危険な麻薬取引に慎二が関わっていることを知った啓子は、黙って出ていってしまった。啓子を忘れられない慎二の下に、「麻薬3号」すなわちヘロインを盗んで捌こうという誘いが来る。啓子に逃げられ自暴自棄になっていた慎二は話に乗るが、盗みに入った瞬間、女ボス紫都の一味に捕まり、危険な取引の先棒をかつがされてしまう。その頃、やはり慎二を忘れられなかった啓子は、「文化レポート社」の事務所を訪ねてきていたのだった…。