白い悪魔
しろいあくま
北海道の大自然を背景に、養父との間に芽生えた恋情をきめ細かに描いて現代女性の心理を浮彫した抒情豊かな大ロマン篇。
「カナリヤ」洋装店主・牟田口克介の馬車が白戸牧場へやって来るのを見た白戸朝子は、はにかむように笑った。朝子の祖父で、牧場主である宗太郎は七十二歳。牧場の荒廃にもめげず元気な宗太郎も、克介と獣医の木谷と久々にくみ交わした酒に酔ってくると、朝子の将来を心配し「朝子の母親が、君と結婚していてくれたらなあ…」と克介に言うのだった。それから数日後、東京出張から帰った克介を待っていたのは、宗太郎急逝の報だった。葬儀場で涙に暮れる朝子の姿に、克介の胸は痛んだ。この時克介は、弁護士から朝子の保護養育を依頼された遺言書を示され、悩みつつも承諾した。憂愁の日を送る朝子の心は、克介の温情に雪どけのようにほぐれていった。春が来て、一緒にハイキングする克介と朝子は親子のような睦じさだった。克介は朝子を「美しく伸びやかに育てる」のがモットーだった。そんなある日、掃除中に朝子は宗太郎の遺書などと一緒に、写真を発見した。それは朝子の母・優子と、角帽の克介の写真で、しかも朝子を写したのと同じ背景ばかり。朝子は不思議でならなかった…。
日本 製作:日活
日活
1958
1958/1/22
モノクロ/98分/シネマスコープ・サイズ/11巻/2681m
日活
【北海道】函館市(函館駅前、市街、ハリストス教会、トラピスト修道院、湯の川、山手、函館山、雪の函館の街、函館駅・桟橋、同・構内、同・ホーム、立待岬)/石狩郡(当別牧場)
【青森県】(青森駅・連絡船へのホーム、青函連絡船)
【東京都】千代田区(有楽町辺り、山の上ホテル、駿河台ホテル)/台東区(上野駅ホーム)/中央区(銀座の街)