心とは裏腹に肉体に宿る激しい愛欲に導かれて彷徨う女性がたどり着く果てとは―。豊満な肢体の筑波久子が薄幸な女性を熱演。
幼い頃に疎開先の信州で両親を失い孤児院で育った比沙子は、若くしてその美貌と豊満な肢体で人目を惹いていたが、戸上という男に無理矢理乱暴され、彼から逃れるように東京に出てきた。しかし身寄りのない比沙子がすんなりと東京の風に馴染めるわけもなく、気付けば万引き団に加担させられ、警察に捕まってしまった。その事件の報道を知った陶芸家であり慈善家でもある島は比沙子を引き取ることにした。島も同じく孤児院育ちであり、今は東京で成功していた。また、彼は自分の陶芸場に孤児たちを呼んでは親身になって技術の手ほどきをしていて、以前比沙子のいた信州の孤児院でも教えたことがあったのだ。比沙子にとってその陶芸場は初めての心休める場所であり、ほのぼのとした生活に幸せを感じていた。しかしそんなある日、比沙子の前に彼女を追って上京してきた戸上が現れる。「お前の肉体は俺から離れられない」そんな戸上の言葉に心をかき乱された比沙子だったが、次第に身体の内に宿した情感を狂おしいほど燃えたぎらせていく…。