十代の罠
じゅうだいのわな

心中事件をきっかけに明るみに出た十代の売春組織。その真相を追う高校教師と無軌道な若者の姿を、セミドキュメンタリー・タッチで描いた異色青春映画。

京浜工業地帯で高校生の三田一夫と岸信子の心中死体が発見された。三田が通う高校の教師・多木は三田の親友から、彼が同じクラスの不良学生・土佐と激しく反目していたことを聞き、この事件に疑惑の目を向けた。警察署からの帰途、多木は信子の担任教師・礼子と信子の親友・幸江に会い、事件の二日前に信子が何かに怯えている様子だったこと、土佐の兄・栄次が土地の暴力団の片割れであることを知る。夜、盛り場を訪れた多木は不良女学生・房江を詰問し、信子がポン引きをやっている英次に手籠めにされ、三田がそれを知って激怒していたことを突き止める。翌日、多木は工場街にある貧しい土佐の家を訪れ、彼が競馬の予想屋をやってかろうじて一家七人を養っているのを見て暗然とした。一方、多木の追求に危険を感じた英次は、彼を罠に陥れようと企む。信子が売春を強要されたのではないかという疑問を抱いた多木は、わざとポン引きの網にかかり、彼らの組織であるホテルに潜入する。そこで多木は再び房江に会い、厳しく詰問することで十代の売春網の輪郭と、佐藤という男が英次たちを使ってその元締めをしていることを知る。しかしその時、英次たちは二人の様子を隣室から盗み撮りしていた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1957
1957/12/15
モノクロ/86分/スタンダード・サイズ/10巻/2376m
日活