後に石原裕次郎とのコンビで『憎いあンちくしょう』などを生み出す蔵原惟繕の監督デビュー作で、ムード・アクションの先駆けとなった作品。脚本は兄・石原慎太郎。裕次郎が歌う哀愁に満ちた主題歌も大ヒットした。
夜霧深い波止場にある小さなレストラン“リーフ”のマスター島木譲次(石原裕次郎)は元ライト級ボクサーだったが、喧嘩がもとで誤って人を殺してしまい、それ以来ボクサーを辞め、悔恨と失意の日々を送っていた。そんな譲次の希望は、ブラジルにいる兄のもとに行くことだった。1年後に必ずお前を呼ぶから、という兄の言葉だけを信じ、この波止場で便りを待ち続ける譲次。そんなある日、彼は橋の上で雨に濡れて立ち尽くす見知らぬ女(北原三枝)に出会うのだが…。