十七才の抵抗
じゅうななさいのていこう

ジャーナリズムに波紋を投げた高校生作家・戸田昭子作「可奈子」の映画化。清純、多感な乙女・可奈子の苦悩と希望の人生を描く。

可奈子は高校三年、理知的で美しい娘だが、暗い影があった。松川一座の座主である父・十三郎に育てられた彼女は、母の愛を知らずに成長した。可奈子も子役として舞台に立っていたが、年頃になると父に泣いて訴え、舞台に出るのをやめて学校に通うようになった。 初夏の海が白い浜辺を洗う、その海辺にある高等学校の校庭で、可奈子は級友たちの羨望の眼指しに囲まれていた。進学模擬試族の結果、可奈子が同級生の哲次を抜いてトップだった。その夕方、下宿に迎えに来た一座の英吉と一緒に隣町の安江劇場に行った可奈子は、病気で寝ているはずの継母・由美の不倫を見てしまった。男は慌てて逃げ去り、不倫を見られた由美は、可奈子の母・美也子も男と駈け落ちしたのだとわめ散らした。可奈子と哲次は学校でよく喧嘩をしたが、お互に淡い恋心を抱いていた。一方、幼い頃から可奈子の面倒をみて来た一座の英吉も、今では可奈子を愛していた。夏休み間近、可奈子たちはサイクリングに出掛けたが、途中で可奈子が足を捻坐してしまい、近くの哲次の家に担ぎこまれた。哲次の両親からあたたかくもてなされ、幸福な雰囲気に母の面影を想い出した可奈子の瞳には涙が滲んだ。哲次たちが可奈子を下宿まで送ると、継母の由美が来ていた。可奈子と激しくののしり合った由美は、駈落ちした可奈子の実母・美也子は、浅草でしがない女剣劇をしているのだと口走った。それから間もなく、可奈子が哲次たちと東京の模擬試験を受けに行ったのは、母・美也子に会いたい一心からだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1957
1957/7/30
モノクロ/100分/スタンダード・サイズ/11巻/2752m
日活