白い夏
しろいなつ
素朴な郵便局を舞台に描く、若き主人公が経験した数々の人生の機微。明朗、ユーモラスな物語が、しみじみとした共感を呼ぶ。
学窓を離れ、房総の海岸町にある郵便局に就職した純情青年・伊野君は、昼間逢った三人の女性-お色気濃厚の芸者・玉奴、清純で美しい局長の娘・麗子、先輩久礼のガールフレンドである看護婦のよしの面影が目先にちらつき、故郷を離れた第一夜なかなか寝つかれなかった。女と名のつくものは、お袋しか知らない伊野君にとって強烈過ぎる刺激剤だったのだ。翌日、初めての仕事に張り切る伊野君の顔は明るく、楽しい平和な日が続いた。ところがある日、この町で唯一の新聞社の記者・早船が、局長に町民野球大会の寄附を強制しに来た。早船は、町のボス花山の手下となって弱い者いじめをしている狡猾な男だった。野球大会の日が訪れた。だが不思議なことに、ボス花山の投球を誰も打てない。業を煮やした応援中のよしは、久礼に「伊野君を出しなさい」と命令した。愛するよしの言う事ゆえ、久礼は「三振するんだぞ」と言い聞かせ、渋々伊野君をボックスに送り込んだ。怪げんな面持ちの伊野君は言われた通り三振したが、暴投と相次ぐエラーにホームイン。花山に買収されていた久礼は、逆転勝利に大慌て。この野球大会の失敗にもこりず、早船と久礼は来たる町長選挙に一戸当たり二百円の金をバラ撒き、花山を町長にさせようと悪企み。ところが又々伊野君のためにオジャンとなり…。
日本 製作:日活
日活
1957
1957/7/23
モノクロ/91分/スタンダード・サイズ/10巻/2501m
日活