月下の若武者
げっかのわかむしゃ

長門裕之、津川雅彦兄弟と父・沢村国太郎が初共演。栄華を誇った平安京を舞台に、若武者兄弟が親の仇を討つため大活躍する痛快篇。雑誌「平凡」連載の大林清原作小説を映画化した、日活初の総天然色大型映画。

ときは平安朝、政権を握っている貴族達は荘園の富で私腹を肥やし栄耀栄華を極めているばかりか、権力をめぐった派閥争いに明け暮れていたため、京の都は野盗の群れが横行していた。若狭の国小浜庄の小太郎・千寿丸の兄弟は、摂政関白太政大臣・藤原頼道に目通りのため、病気の父・兵衛の領主名代として京へ上る途中、盗賊に襲われていた前関白・藤原能長の娘・桔梗姫を救った。京から戻った兄弟を待ち受けていたのは、思いもよらぬ災難だった。二人の留守中、かねてから小浜庄を狙っていた海老名法心に夜討ちをかけられ、父母や一族は皆殺しにされ、家は跡形もなくなっていたのだ。憎き法心を討って小浜庄を取り返そうと血気にはやる千寿丸と、都へ上って出世の道を開いて機会を待つという小太郎。意見の対立は激しい兄弟喧嘩にまでなり、小太郎は必死に止める千寿丸と難を逃れた小太郎の許嫁・千加をふり切って、都へ上った。しかし殿上人の権力争いに立身栄達の夢は破られ、大盗賊・袴垂保輔の一党に捕われの身となった。一方、追手を逃れた千寿丸は一途に兄を慕う千加と、自分に激しい想いを寄せる娘アケミらと共に遠く兄の身を案じていたが、ある夜、大胆にも単身で小浜庄に乗り込み、捕われてしまった。しかし、あわや首を切られるという寸前、後をつけて来たアケミに救い出された。ところが今度は思いがけないことに、大事な兄の許婚・千加に嫉妬していたアケミが、千加を人買いに売ってしまっていたのだ。千寿丸は、小太郎と千加を探しに都に旅立つが…。

日本
製作:日活 配給:日活
1957
1957/7/9
イーストマンカラー/97分/シネマスコープ・サイズ/12巻/2665m
日活
【京都府】京都市(平安神宮、京都御所・蛤御門付近、賀茂分雷神社から円山のゴルフ場にかけての一帯)
【奈良県】斑鳩町(法隆寺)
【滋賀県】大津市