私は前科者である
わたしはぜんかものである

昭和初期を舞台に、歓び、悲しみ、憤り、はかない恋の夢と、前科者の刻印をおされながら生き貫いた男の半生記。

寒風が吹き荒れる北海の果てに、ひと目で監獄とわかる高いコンクリート塀が続き、夜、監房からは、望郷にかられた囚人たちが淋しく唄う馬追唄が低く聞こえてくる。「俺たちはもう駄目なんだ!」様々な過去をもつ囚人たちのいら立ち、絶望が襲ってくるのはこんな時刻なのだ。薄暗い電灯の下で英書を読む滝は若くて美しいが胸を病む芸者豆千代の身の上に同情し、身請けして親元へ帰らせてやるために、公金を使って捕らえられ、此処へ入れられたのであった。耳を傾けていた同房の佐藤は滝を慰めたが、狡そうな稲田は不気味な哄笑を浴びせたきりだった。滝は模範囚として一年後、仮釈放を許されてシャバに出ることができた。自分にまつわる暗い蔭におびえながらも、金を貯めたら外国へ渡って明るい笑いを取り戻そうと考えていた滝は、履歴を偽って外国人経営の貿易商社に職を得た…。

日本
日活
製作:日活 配給:日活
1957
1957/2/20
91分/10巻/2470m/モノクロ/スタンダード・サイズ
日活
【新潟県】柏崎市(柏崎駅、海岸)
【東京都】千代田区(内幸町、飯田橋附近、お茶の水・ニコライ堂附近)/文京区(小石川・伝通院附近の道路)/台東区(隅田川岸)
【千葉県】千葉市(千葉刑務所)