街燈
がいとう
わざと落とした定期券から生まれた二組の男女の恋の駆け引きを、軽快なテンポで綴ったソフィスティケイテッド・コメディ。劇中で流れる中平監督作詞によるシャンソンも印象的。

洋裁店ナルシスを経営する千鶴子はある日突然、能瀬という見知らぬ青年の訪問を受ける。彼は千鶴子が定期券を拾って、送り届けた学生の兄だった。能瀬によると定期券は弟が故意に落としたもので、拾った人が取りに来いと言えばそれを縁に交際を始めるという遊びをしていたと言う。能瀬の訪問の要件は、弟が失礼な手紙など出したのではないかという兄らしい配慮からであった。能瀬が弟の失敗談や成功談を話し、千鶴子は腹を抱えて笑い転げた。しかもその定期遊びで成功した小出という青年を千鶴子は知っていた。千鶴子の友人で銀座の洋装店ギンのオーナー・吟子の店で働いていたのだ。美男子の小出は吟子の若いツバメだった。しかし彼は吟子に隠れて久里目財閥の一人娘・鳥子と交際しており、それを知った三宅という男にゆすられていた。一方、吟子には大久保という好々爺のパトロンがいたが、小出と鳥子の関係を店の常連の川口夫人から聞かされ、内心穏やかならぬものを感じるのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1957
1957/2/13
モノクロ/91分/スタンダード・サイズ/10巻/2488m
日活
【東京都】中央区(銀座俯瞰、並木通り、銀座通り、デパート(ホール、靴下売場)、浜町の料亭・表、築地附近の道、土橋附近)/港区(新橋駅・ホーム、青山あたりの道)/世田谷区(池ノ上附近) 
【神奈川県】▲(走る湘南電車)