女子寮祭
じょしりょうさい

禁男の園"女子大寮”を舞台に不良女子大生の生態を、真面目な苦学生と対比して描いた異色青春映画。日活映画初主演の渡辺美佐子が、寮の規則に抵抗し堕落する女子大生を演じている。

旭ヶ丘女子大の白百合寮に新しい寮監・大西雪枝が赴任してきた。大西は手紙の検査、門限時間の繰り上げ、外出厳禁という厳しい寮規則を打ち出したため、従来の放任主義に甘えていた寮生たちは不満を爆発させた。だが大西の態度には一歩も退かぬ気構えがあった。しかし寮生の中で唯一、篠崎ルミだけは最後まで大西に反抗した。そんな雰囲気の中、大西はルミの名簿を調べたが「篠崎真一郎長女」の文字に愕然とし、「篠崎ルミは我が子なのか…」と何度もつぶやいてしまうのだった。ちょうどその時、寮生の島弘子がアルバイトを理由に規則を守れぬから善処してほしいと陳情してきた。こうしたルミと弘子の生き方は女子大生の二つの典型的な面を表しているかのようだった。弘子は夜の町をリヤカーに小間物を乗せアルバイトをしていたが、貧しくても、同じようにアルバイトをしながら勉学をする大学生・田村という恋人があり、幸せだった。一方、ルミは東都大学主催のパーティでヤクザな学生・津田と踊り、与太者たちと夜更けまで遊び、寮の塀を乗り越えるのが常だった。それは家庭的に恵まれず満たされぬ毎日が原因であった。弘子の真面目な性格は大西の胸を打ったが、我が子であるルミは外泊し、麻雀賭博でパクられてしまう。このルミに対して大西は優しくいたわった。しかしルミの歪んだ心は、母親とは知らぬ大西の優しさを解せず「どうして私を叱らないの」と再び津田のもとへと走るのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1957
1957/2/6
モノクロ/9巻/2244m/82分/スタンダード・サイズ
日活
【東京都】中央区(月島、銀座)/新宿区(新宿グランド・オデオンキャバレー、飯田橋、東京スケートリンク)/世田谷区/渋谷区(国鉄・ニッポンビール恵比寿工場引込線付近)/杉並区(立教女学院)/三鷹市(井の頭公園)/京浜国道