不信と愛憎に苦悶する若き人間群像を、強烈なタッチでえぐり出す石原慎太郎の原作を井上梅次が監督した異色問題作。
「そう、あの女はもういない-あの唄声あの眼差し-あの熱い唇に触れることはもうないのだ」東京のナイト・クラブ“ブルー・スカイ”の殺人事件現場でバンド・マスター和馬(三橋達也)はそうつぶやいた。殺された女・綾子(月丘夢路)は怪しいまでに神秘的な美しさをまとっていた。そしてそんな彼女の周りにはフィリピン・スターズのバンドマスター、レオ(岡田真澄)とウエルター級のボクサー松本(石原裕次郎)という二人の男がいた…。