文化放送の人気番組連続放送中のコメディの映画化。豪華キャストで彩るフランキー、ブーちゃんの喜劇コンビ第三弾
峠にこだまする鼓笛隊の調べ――ここ長州は追分の駅頭。山間の小さな駅には、古めかしい錦の御旗や幟がひるがえり、ラジオ、テレビ、映画を股にかけ、今や人気絶頂のフランキーそっくりの大勢の見送人達が賑やかに、東京に向けて出発する堺六平太を激励している。送られる六平太は、東京の親戚、香苗の経営する杉牛乳店が、商売仇のブルドック牛乳店に邪魔されて苦境に陥っているという堺家一族の一大事を救うため、おじいちゃんの命を受け、勇んで故郷を後にした。さて、東京に着き、旅の疲れでグッスリ眠った翌朝――同僚の新吾が見えない。新吾は景気の良いブルドックに寝返りを打ったのである。六平太はそのために第一日目から二人分働かなければならなくなった。けれど陽気な六平太は余計に勇んでペダルを踏んで配達に出かけた。だが、町の地図と首っぴきでは中々思うように配達出来ない。その上、街角で六平太はお巡りさんに呼び止められた。牛乳の配達のついでに道路で一夜を明かした飲ん兵衛氏を配達してくれ、というのである…。