感傷夫人
かんしょうふじん
微妙な女心を心憎いまで描破した伊藤整の評判小説の映画化。美しい友情と愛情の葛藤を描く絢爛の文芸メロドラマ。

美貌の未亡人妙子は、昨年夏の終わり、夫藤崎三郎と死に別れてからは、、娘良子の成長と過ぎし結婚生活の想い出を胸に、感傷と憂愁の日々を送って来た。妙子の父藤崎老人は、一周忌を迎え、家へ近親の者達を招待し、故人をしのぶというよりも、妙子の再婚を願い明るいパーティーを開くのであった。来訪者の中で特に妙子の将来を心配しているのは、美学を専攻し博士号を目ざす青年秋山豊であった。秋山にとって亡き藤崎三郎は山岳会の先輩であったが、以前から妙子をひそかに慕っていた。だが皮肉にもまたこの秋山を慕う女性がいた。それは貿易会社に勤める近代女性、立松正子だが、その愛を打ち明けられなかった。秋山が妙子を愛している事を知っていたからである。パーティーは静かなブルースの曲に乗って進んでいった。秋山、そして妙子、正子の三人はそれぞれの想いにふけっていた。

日本
製作:日活 配給:日活
1956
1956/10/24
92分/10巻/2513m/モノクロ/スタンダード・サイズ
日活
【東京都】港区(新橋駅前)/千代田区(丸の内附近、丸の内・オフィス街、日比谷公園、お茶の水附近、丸の内・東京會舘)/中央区(日本橋附近)/新宿区(新宿附近)
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▲(京浜国道、海岸沿いの道、岸壁)