最後の戦斗機(最後の戦闘機)
さいごのせんとうき

太平洋戦争末期、世界を震撼させた特攻隊の悲劇を、迫真のスリルとスピードで描いた戦後最大の戦争映画第一弾。

終戦近く―。南九州の某海軍特攻基地は、予備学生出身の将校で占められていた。司令部の情報係・白井中尉は、「飛行不能」を報告した西河二飛曹に、着任早々の司令・関根少佐が「攻撃続行」を命令したことにいたたまれない気持だった。そんな白井中尉を大学時代からの親友である副官・遠藤中尉は気遣った。ある日、鹿屋の艦航司令部から参謀・双葉中佐と補充の戦闘機が到着。やがて菊水十号作戦、第三次特別攻撃隊員の氏名が発表された。ある者は闘魂を燃やし、ある者は静かな諦めの中に、ある者は絶望に浸りながら身の廻りの整理にかかった。彼等を見る白井中尉の面持は、悲痛にゆがんでいた。しかし、不運にも出撃前に敵弾に倒れた三木中尉の代わりを、白井中尉は名乗り出た。出撃の日、白井中尉は東京から逢いに来た恋人・則子に何も云わなかった。同乗する清水二飛曹も、秘かに慕う従姉の宏子に、表面は元気良く別れを告げて来た。絶好の飛行日和を迎え、第三次特攻隊は飛び立った。やがて、敵機動部隊が見えてきた。星中尉は、敵機グラマンをけちらしながら突っ込んだ。続いて、他の特攻機も火玉となって突入した。しかしその頃、白井機は油槽の故障で海上に不時着。同乗の清水二飛曹は溺死した。大戦果の報に関根司令は満足し、遠藤中尉は胸中悲しんだ。だが一週間後、二階級特進で軍神となった白井中尉が生還した。愕然とした司令部は、軍の名誉のため直ちに第四次特攻隊参加を命じた。だが再度の出撃も、片翼を無残にもぎとられながら白井機は帰還し…。

日本
製作:日活 配給:日活
1956
1956/10/17
モノクロ/90分/スタンダード・サイズ/10巻/2470m
日活
【静岡県】下田市(伊豆白浜) 
【宮城県】東松島市(航空自衛隊松島基地)