宣伝のことなら無我夢中、どんな危ないことでもやってのける自信満々の茶刈デンスケにも難しい事が一つだけある。金持ちになる事である。そのデンスケ、今日は銀座のド真ん中で、グレン隊に殴られ蹴飛ばされて散々の目にあっている。だが、大勢の人だかりの中で警官に助け起こされたデンスケはにやにやし乍ら、ポケットから傷薬の宣伝チラシを出して配るという宣伝狂ぶりを発揮したので人々はアッケにとられてしばし茫然。この痛みにもめげず、デンスケは又もや、広告アドバルーンにぶら下がって、中天高く、ポケットからチラシを撒いて群衆をアッと云わせたが、正に今度は死に物狂いである。ハリウッドから来た美人製造の研究者ジョージ博士は、このデンスケの見事な宣伝ぶりにゾッコン惚れ込み、早速、デンスケが臨時雇いとして働いているマナスル広告社に、どんな御婦人でも美しくなれる美人製造機の大々的宣伝を依頼してきた。