地下から来た男
ちかからきたおとこ
フランキー堺、市村俊幸の喜劇名コンビがまき起す、スリと刑事の大騒動!丹下キヨ子が一枚加わった人情諷刺喜劇。
地下鉄を稼ぎ場とするスリの滝口進平は、根は純情でお人好し。今日もカモを狙って乗った電車に刑事の熊田を見つけ、ギョッとする。東北弁まる出しの熊田刑事は進平と古い友達だが、今は刑事とスリ、追う者と追われる者という立場だ。熊田を見た進平はいたずらっ気を起こし、そばの神士に熊田をスリだと吹き込んだため、熊田は散々な目に。進平がスリとった財布をデパートの屋上から捨てると、この空財布がやらずのお京にぶつかった。このお京もスリだが、熊田刑事にぞっこん惚れ込み、今は真面目になろうとサンドイッチマンをしている。屋上では、金網にひっかかった風船を取ろうとする女の子に、危ないからやめるよう野本米子が諭していた。これを見た進平は飛んでいき、風船を生命がけで取ってやった。実はこの野木米子も堅気を装っているが、子分を数多くもつスリの野木一家の姐御だ。といっても父の後目を継いだだけで、人様の物に手などかけたことがなく、父の身代わりに服役した者の子供の面倒を彼女が見ていたのだ。進平は、お京にスリ団からの脱退を相談される。実は進平は東京新スリ派集団の兄貴株なのである。お京の脱退について開かれた審議会の話題は、いつしか野木一家の場所荒しに移り、そのことで仲間同士でなぐり合う始末。一方野木一家も、東京新スリ派集団と時を同じくして内輪もめしていた。米子は一同から、先祖伝来の野木一家名誉挽回のために親分になってくれと頼まれ、断りきれず嫌々盃をかわすことに…。
日本 製作:日活
日活
1956
1956/9/25
モノクロ/78分/スタンダード・サイズ/8巻/2128m
日活
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