昭和31年3月、力道山の世界遠征壮行会が東京・有楽町の日活ホテルで華々しく開かれた。堀社長、北原三枝、芦川いづみなどに見送られて羽田空港を発った力道山は最初の訪問地、シンガポールでキングコングと闘い、その後、ベイルート、ジュネーブを経由しパリでその勇姿を披露した。さらにロンドン、ニューヨークを視察し、陸路西海岸へ移動した力道山はサンフランシスコで遠藤幸吉とのタッグでシャープ兄弟と対戦したのを皮切りに、ストックトンでエンリキ・トーレスを加えた3人タッグでグレート東郷、ハロルド坂田、オルテガ組と対戦、ロサンゼルスでエンリキ・トーレスと組んでシャープ兄弟と再戦、連戦連勝の成果をおさめ、ルー・テーズとも再戦の約束をするという赫赫たる戦果を収めて帰路の途に就くのであった。