恐怖に脅えながら生と死の間を彷徨する二人の男女を、恐るべき迫力と戦慄で描く一大アクションドラマ。
戦時中に軍医をしていた浅見は、ある化粧品会社の研究員として働きはじめるが、そこは裏でヒロポンを密造する悪の巣窟だった。しかし浅見は恋人である阿矢子と接するうちに改心し、そこを脱出する覚悟を決めた。ただ、悪の組織からそう簡単に逃れられるはずもない。組織のボスである川崎は部下たちに浅見を追跡させ、更に浅見の持つ鞄を奪い取るよう命令を下した。鞄には浅見が特殊な方法で開発したヒロポンの原料が入っていたのだ。執拗な追手を何度も交わすうち、浅見は、自分は自首するので阿矢子には一人で逃げて欲しいと説得する。しかし阿矢子は何があっても離れないと熱い瞳を向けるのだった。やがて業を煮やした川崎が直々に動き出し、二人は次第に追い詰められていく。