狙われた男
ねらわれたおとこ

白昼、銀座の美貌マダム殺人事件をめぐって、新藤兼人の名シナリオが緊迫した画面に恐怖をたたきつける迫真のスリラー。

大都会の谷間――銀座裏の小路は午后の陽が明るく降りそそいでいる。ところが、こともあろうにこの平和な銀座裏のアパートの二階で白昼殺人事件がぼっ発した。美鈴美容院のマダム竜江が何者かによって絞殺されたのである。娘の民子が一寸表に出たわずかの間だった。民子の「人殺シーッ」という絶叫で大阪寿司の主人、洋裁店のマダム、質屋の若旦那が慌てて飛び出して来た。急報をきいて現場に到着した警視庁の鬼警部安本は早速状況の綿密な調査にかかるのだが、何一つ手がかりになるものは得られなかった。しかし、長年の勘で、犯人はこの小路に住む人間のような気がするのだった。この小路に住む人間―それはさっきの四人の他に、シャトルのマダム牧子、その弟吉夫、シャトルの女給藤枝、ヤマさんと言われる大洋貿易の社長山路、エデンのマダム、その旦那、バーテンの五郎といった顔ぶれである…。

日本
製作:日活 配給:日活
1956
1956/9/11
68分/7巻/1866m/モノクロ/スタンダード・サイズ
日活
【東京都】中央区(銀座)/千代田区(警視庁、日比谷公園)